月別アーカイブ: 2021年7月

船乗りフィーユの冒険。第7話。青森から来た長崎騒動。





「元気か?」

「はい。お陰様で。」

「それはよかった。」

「サリー先生。いよいよ始まりましたね。」

「なにが?」

「オリンピックですよ。」

「オリンピック?どこの?」

「どこのって、東京ですよ。東京。」

「そんなのやってんだ。」

「やってるって、昨日から始まったんですよ。」

「知らんかった。」

「開会式、見なかったんですか?テレビで?」

「見なかったなああ。」

「なにを見たんですか?」

「警察24時。大ファンなのだ。」




「オリンピックなああ。」

「あれ、開会式の前から試合始まってんのね。」

「なんだ、知ってるんじゃないですか。」

「知っとるよ。ソフトボールだろう。」

「そうです。日本勝ちましたね。」

「ニュージーランドを相手にコールドだな。」

「幸先いいですよね。」

「それが気に食わんのだ。」

「なんでですか?」

「わからんか。」

「わかりません。」

「相手は外国からわざわざ日本に来てくれた、いわば、客人だ。」

「はああ。」

「しかもこのご時世に。」

「それをだな、コールドとはなんなんだね。」

「考えてみたまえ。」

「遠路はるばるおいでいただいたお客様だ。」

「普通、まずはお疲れ様だろう。」

「和室にお通しする。」

「次に今は夏だ、冷たい麦茶をお出しするな。」

「で、和菓子。」

「お国のご家族はお元気かなどお話する。」

「蚊取り線香欲しいな。」

「風鈴がチリンと鳴って欲しいな。」

「和服の女将は”うちわ”でそっと客人に風を送るな。」

「客人、この辺も随分変わりましたねと言って欲しいな。」

「主人が亡くなって随分になりますから。。。。」

「で、お風呂だ。」

「お風呂で汗を流したところで、夕飯だ。」

「そうさな。まずは鯉の洗い。」

「ビールもいいが、冷酒なんぞもよかろう。」




「いったいなんのお話なんですか?」

「だからだ、大切なお客様に対してコールドゲームとは失礼だと言っておるのだ。」

「おそろく、選手の中には決して裕福ではない家庭の子もいよう。」

「北国の貧しい農家の娘だ。」

「兄妹が6人。」

「その子は末っ子だ。」

「唯一、運動神経に秀でていた。」

「ある日、遠くジャパンという異国の地で、オリンピックという大会が開かれると聞いた。」

「その子は、私、ぜひ参加したい。」

「と、思った。」

「だが、そんな金は工面できない。」

「娘は夢を諦めかけた。。。」

「だが、天は娘に味方した。」

「娘の才能を聞くに及んだ政府がジャパンに行かなかと言ったのだ。」

「娘は喜んだ。」

「そして出発の日の朝だ。」

「娘の母親が言った。」







「先生!ニュージーランドです。ニュージーランド!」

「母は、おしんにそっとある物を渡した。。。」

「母の手はあかぎれで痛痛しかった。」

「おしんは。。。。」

「母ちゃん。。。。」

「小さく呟いた。」

「それは、母の手編みの腹巻きだった。」

「先生!ですからニュージランドです!!!」

「おしんは、晴れてジャパンに到着した。」

「そして宿舎での夜だった。」

「おしんは、お腹を壊してはいけないと、母の手編みの腹巻きをした。」

「おしんは、違和感を感じた。」

「腹巻きに、小さなポケットがついていることを見つけた。」

「おしんは不思議に思いながらポケットに指を入れた。。。」

「そこには、小さく折りたたまれた。。。」




「先生!」

「なんだかわからいけど、涙がでてきました!!!」

「そうであろう。」

「そんな、おしん達にコールドゲームとはまったく礼儀を知らん!」

「お・も・て・な・し精神はどこにいったのだ!!!」

「それから、おしんの父親は俳優の伊東四朗に似ていた。」

「ニュージーランドの伊東四朗と呼ばれている。。。。」

ということで、サリー先生とフィーユのいつものお戯れでございました。。。。




フィーユは島の中をさ迷っていた。

その時であった。

「お若いの。」

声がした。

「どなたですか?」

「私は。。。」







「長崎さんですね。」

「違います。」

「青森から来た長崎です。」

「だから長崎さんでしょ?」

「青森から来た長崎です。」

「ですから、青森出身の長崎さんでしょ?」

「違うんです。」

「どう違うんですか!」

「名字が。。。。」




「青森から来た長崎cocoです!」




「で、青森から来た長崎cocoさん。」

「なんの用ですか?」




「このまま、この島でお宝探しを続けるか。」

「あるいは、東京に行って気象予報士になるか。」

「はいそうです。」

「しかし、東京に行って気象予報士になるというお話は、作者の父ちゃんの思いつきだ。」

「父ちゃんは朝の連続テレビなぞ見たことがない。」

「であるから、父ちゃんはできれば、このままフィーユを島に留まらさたいのだ。」

「その通りです。」

「悩むところだな。」

その時であった。

フィーユは先程から誰かに話しかけられている気がしていたのである。




「おかしいなああ。」

「誰かなにか言っている気がする。。。。」

「きのせいだ。。。。。」

「そうか、きのせいか。。。」

「だから、きのせいだって!!!」

「きのせいだよね。」

「だからーーーーー!」







「そうだ。私は!」




「秋田から来た島根の木の精の凪!!!」




混沌としてきたこのお話。

わけのわからない、名字の謎!

次回で明らかになる!!!

多分。。。。。




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