月別アーカイブ: 2020年11月

サリーの父ちゃん、シャーロック・ホームズになる!


サリーです。

父ちゃん。

突然、サリーのことを「ワトソン君」と言い出したのです。

父ちゃん。

入院中に「助けてー!」、「よしゆきー!」と叫ぶ婆さん達の悲鳴に悩まされ、無事退院したものの、「助けてー!」、「よしゆきー!」という過酷な入院生活で、どうも妄想をいだきだしたようなのです。

いつものように、サリーは父ちゃんと一緒にねんねしていると、父ちゃん突然起き上がり狭い部屋の中をうろうろし、あまつさえ、サリーのことを「ワトソン君。」

「来客のようだね。」

父ちゃんはなぜか、ここが「ロンドンのベーカー街の221B」であって、自分は名探偵シャーロック・ホームズだと思っているようなのである。

それで、サリーのことを「ワトソン」だと思っているようなのである。

仕方がないのでサリーは父ちゃんに調子を合わせて、「ホームズ」と呼ぶのである。

「ホームズ父ちゃん。」

「どうして来客だとわかるのだね。」

「簡単なことだよ。」

「今、点滴です。」

「と言ったらだろう。」

おそらく、毎晩、点滴を替えにくる看護師さんのことを来客だと思ったのだろう。

「これはこれは。ボーデン伯爵の奥方ではありませんか。」

ホームズ父ちゃんは誰もいない部屋の中で想像上のボーデン伯爵に言った。

「ワトソン君。」

「ここにおられるのは、かの有名なボーデン伯爵の奥方だよ。」

「ボーデン伯爵?」

「そう。」

「ボーデン伯爵の奥方の。。。。」

「レディ・ボーデン。」

サリーは思った。

「父ちゃん。かなり重症だ。。。。。」

「さあ、レディー・ボーデン。どうぞ座ってください。」

すると、レディ・ボーデンならぬ、看護師さんは、「患者さんかなり重症ね。」と呟き、点滴を交換するのである。

「それで、レディ・ボーデン。」

「今回はどんなご依頼で?」

すると、看護師さん、父ちゃんの頭の中では、「レディ・ボーデン」は言った。

「謎の東洋人。そん・たくをご存知?」

「そん・たく。。。」

「勿論です。」

「世界各国で、意味もなく現れる。」

「色々な扮装して盗みを働く怪盗です。」

「見なさい。今朝のデイリー・ミラーにも。」

「謎の東洋人。そん・たく現れる!と。。。。」

父ちゃんは新聞を想像のレディー・ボーデンに見せたが、あいにく、新聞爺さんにコンビニで新聞を買われてしまったので、新聞はなかったのである。

「それで、レディー・ボーデン。」

「私に、なにをしろと?」

看護師は、「おちっこためていますか?」

と、言ったのであるが、父ちゃんはシャーロック・父ちゃんのままで、部屋の中でシャーロック・ホームズになりきっているのである。

看護師(父ちゃんの想像では、レディー・ボーデン)は言った。

「謎の東洋人。そん・たくです。」




「ある時は、フランス人の有名な画家。」




「そして、またある時は、天才プログラマー!」




「そして、またある時は。。。。」




「ロンドンの名探偵!」




サリーは思った。

「大村崑じゃない?」

思ったが口には出さなかった。

ひなたママが怒るから。。。。

で。。。。




「ある時は。。。。」

「うーむ。よくわからん。」







「おぱんつカット!」




「どひゃーん!」

そうだったのである!

謎の東洋人。そん・たくは、「ひなただったのである!!!!」

サリーは呟いた。。。。




ということで、シャーロック・父ちゃんは言った。

「サリー。」

「ところで、ここはどこだ?」

おしまい。

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