小説家のサリーは悩んでいた。
次回作の構想がまったく浮かばないのである。
それで、ふと思ったのである。
自分のことを書けばいいのであると。
いわゆる、私小説である。
自分の生い立ち、今までの犬生を綴るのである。
「火花とわんこ」
火花は、読者に間違わせて買わせなくてはならないので、どうしても使わなくてはならんのである。
第一章.
私は犬である。
どこで生まれたか、とんとんけんとうがつかない。
毛がぼうぼうで放浪していたとき、埼玉県の動物保護センターに捕まったのである。
それから、ボランティア団体の「アルマ」さんに助けだされ、仮ママさんの「マイクママ」さんのお宅にごやっかいになったのである。
そこで、マイクママさんに、「サリー」と名付けられた。
マイクママさんのうちにずーっと居られると思ったのだが、変な人が欲しいと言ったそうで、変な人のうちに「ごっやかい」になったのである。
変な人は、本当に変な人であった。
サリーという名前を、変えてもいいと言われたそうだが、サリーのままだ。
変な人は、名前を変えない理由をぼそっと言った。
「面倒くさい」
変な人は、本当に面倒くさいが口癖で、私が散歩に行きたくても、できれば行きたくないようだ。
こちらも貰われた手前、あまり自己主張してはいかんと、我慢している。
「ごやっかい」になったのだが、変な人も「やっかい」な人のようであった。
ごやっかいになって、しばらくは、おうちに居た。
ベランダで、変な人は、布団をほそうとしたが、天気がよかったので、布団でねっころがっていた。
布団を干すのが「面倒くさい」と言った。
面倒くさい人なのである。
私も、気持ちがいいので、一緒にねっころがった。
ちょっとだけ、変な人が好きになった。
それから、会社に行った。
見習い社員になったのである。
会社は楽しかった。
経理の「さとこ」さんがいた。
どうも昔、住んでいたところの、お母さんに似ているので、大好きになったようである。
変な人がそばにいても、経理の「さとこ」さんが気になっていつも見ている。
それで、変な人は、ブログというものをやっていて、私にコスプレをさせる。
迷惑だ。
本当に迷惑だ。
迷惑だが、仕方がない、ごはんとおやつをくれるのだから。
そういえば、放浪している時、おなかが減って、人間にごはんをねだった。
だから、散歩で人間に出会うと、「だしなさい!」をしてしまうのである。
変な人は、これを面白がって、タオルを作った。
さらに、ハンドタオルを作って、金儲けをしようとしているらしい。
まあ、許そう。
毎日、ごはんをくれるのだから、致し方ない。
「Tシャツとか、コーヒーマグとかどうかな?」
「大儲け」
とかいう会話も聞いたが、意味は分からなかった。
それで、調子にのった、変な人は、私を使って、変な団体を作ったのである。
私は、知らないあいだに、教祖様になってしまったのである。
犬として生まれ、放浪し、助けられ、見習い社員になり、教祖様になったのである。
波乱万丈の犬生と言えるのではないだろうか?
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サリー先生:「力作ですよ。もう最高作。」
編集者:「。。。。。。。。。」
サリー先生:「あれ、どうしたの?感動して言葉がない。」
編集者:「また、今度お願いします。」
サリー先生:「え?だめなの?純文学はやはり難しいかな。」
編集者:「そういうことではなく。」
サリー先生:「それじゃ、ミステリーかな。」
編集者:「。。。。。」
サリー先生:「ミステリー得意なんだよ。実は今書いているんだよ。」
編集者:「。。。。」
サリー先生:「サリー警部の事件簿というの。教祖様が誘拐されるの。」
編集者:「それで犯人は?」
サリー先生:「。。。。。。」
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