フィーユ!
で、相部屋の爺さんである。
一日中、寝ているのである。
寝る子は育つというが、爺さんまだ育ちたいのであろうか?
それで、爺さん、たまに寝ぼけるのである。
カーテンの向こうからなにやら「もごもご」聞こえるのである。
父ちゃんは、耳をそばだてるのである。
なにを言っておるのか?
しかし、残念なことになにを言っているのかはわからなかった。
でも、前回の大部屋よりはとんでもなく居心地がいいのである。
とにかく一日中寝ているので、夜中にパソコンやってもまったく起きる気配がないのが嬉しいのである。
しかしである。
ある夜のことであった。
爺さん、突然カーテンを乱暴に開けたり締めたりするのである。
「爺さんどうした!」
父ちゃんは慌てて飛び起き、「どうしされました!」
すると、爺さんは、父ちゃんの顔を見て、「きみ子。。。」
と言ったのである。
恐らく奥さんを探していたのであろう。
コロナ禍で奥さんや家族との面会もできず、寝ぼけて奥さんを探していたのであろう。
ただ問題は。。。。
爺さんが父ちゃんの姿を発見した時の顔が。。。。
妙にな艶めかしかったのである。
父ちゃんは背中に一筋の冷や汗が流れたことを覚えているのである。
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モコ!
その他は順調に入院生活を過ごしているのである。
毎度のように朝、コンビニに行き、新聞とジュースとかもろもろ買い込み、病室の小さな冷蔵庫に秘蔵するのが日課となっていたのである。
ある朝、コンビニで買い物をすませ、帰ろうとすると、店員さんが。
「お客様。」と呼び止めたのである。
「お客様。ぴったりですよ。」
父ちゃんはなにごとかと思い、店員さんの差し出したレシートを見た。
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1000円ぽっきり。
「お客様。これ記念にとっておいたほうがいいですよ。」
父ちゃんは、記念なのかと思いながら財布にしまったのである。
こんなん記念になるの?
あ、有料の袋(3円)も買ったので1000円丁度になったのか。
そんなもんかな。
それから、ぷーママさんから頂いた、サリーの羊毛フェルト人形である。
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枕元に置いているのである。
看護師さんが来るたびに、看護師さん、「まあ可愛いわんちゃんですね」
父ちゃんはこころのなかで、「待ってました!」とばかりに。
「可愛いでしょ。」
「サリーと言うんですよ。」
「亡くなってしまったんですがね、知り合いがわざわざ頼んで作っていただいたんです。」
もう立板に水とはこのことかというぐらい、滑らかに説明するのである。
で、決めては。
「サリーこれなんです。」
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「あ、違った。」
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サリーの写真を見せるのである。
「まあ、そっくりじゃないですか!」
看護師さん感激。
それで、父ちゃんは満足するのである。
まあ、暇なのでやることがないので仕方がないのである。
で、入院して丁度1週間である。
あと1週間。
まだ先は長いが頑張ろうと思っていた時であった。
主治医の先生に会った。
先生は言った。
「〇〇さん。もう入院しなくてもいいです。」
「退院。」
「あとは通院で健康チェックで。」
父ちゃんは思った。
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coco!
2週間の予定の入院が1週間で終わりを迎えたのである。
そうか、そうなのか。
入院は終わりなのか。
父ちゃんは病室に戻ったのである。
退院の支度をしないといけないのである。
長い入院生活にと、大量の本を持参してきたのであるが、結局、1ページもめくることはなかった。
あと、毛布が。。。。
これは、病室があまりにも寒いので、看護師さんに「毛布とかありませんか?」とたずねたのだが、看護師さんは一言。
「バスタオルならあります。」
どこの世界に「寒いは。。。」
「あら、バスタオル。」
「ありがたい、これでぬくぬく。」
なんてことがあるのでしょう?
そんなことで文句を言っていたら、グレースママさんが毛布を送っていただいたのである。
もう感謝なのである。
今度、グレースママさんに「お嫁さんが欲しい。」と言ったら紹介してくれるような気がしてならないのである。
はい、嘘です。
それで、夜中に爺さんが、「寒い。寒い。」
父ちゃんどうしたらいいのでありましょう?
父ちゃんはグレースママさんの差し入れの毛布でぬくぬく状態なのである。
でも、爺さんは「寒い、寒い。」
心の葛藤。。。
結局、父ちゃんは。
「聞かなかったことにしよう。」
賢明な判断なのである。
まあ、翌朝、看護師さんが爺さんの毛布を発見して、これはどこから?
「すいません。あまりに寒いと言っていたので、私が。。。」
とかにんるとひと悶着ありそうで、今でも賢明な判断だと思っているのである。
よかったのか?
それで、退院なので支度をしていたのだが、小さな冷蔵庫の中に、野菜ジュースや饅頭やヨーグルトとか大量に備蓄されているのである。
これをどうするべきか。。。
看護師さんに「これどうぞ。」と差し上げていいものだろうか?
よくわからないので、父ちゃんは、「いっぺんに飲んで食べてしまおう。」
と思ったのである。
しかし、大量のジュースやまして饅頭まで一挙に消化するのは大変なのである。
仕方がないので、荷物は宅配便で送り、残ったジュースなどをバックパックに詰めて病院を後にしたのである。
帰りはタクシーを使わず、徒歩。
ぽかぽか陽気で、父ちゃんはジュースを飲みながらぽかぽか陽気のなかをまわりの光景を眺めなら帰ったのである。
所要時間1時間!
ということで、2週間の予定の入院が1週間で終わった、父ちゃんの入院日記でござりました。
たくさんの方にご心配をおかけして、申し訳ないという気持ちと心配して、差し入れをいただいた、ぷーママさん、グレースママさんにあらためて感謝なのであります。
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おしまい。
わんこぴっくは次回!!!
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