「自宅にて」カテゴリーアーカイブ

サリーの歳は幾つなの?


サリーは幾つなのか?

保護犬なのでわからいのである。

わからなくてもいっこうかまわないのである。

そもそも飼い主も自分が幾つかよくわかっていないのである。

歳だからわざと忘れているのではないか。

ある種の現実逃避ではないかとご指摘される方もおられるだろうが、正直、「あれ?おれ幾つだったっけ?」

と思うのである。

馴染みのお寿司屋さんの若大将に「お幾つですか?」と尋ねられ、「え、幾つだっけ?」

「この前の東京オリンピックはご覧になられました?」

「いやー覚えがないなああ。」

「でも、天皇陛下と美智子様のご成婚はうちにカラーテレビが来て見たような気がするなああ。」

「もしかしたら、後になって親から、ご成婚の時に我が家に初めてカラーテレビが来たのよ。」と母親から聞かされ自分も見たのだと思っているのかもしれないのである。

お寿司屋さんで、サリーの飼い主の年齢の推理合戦が始まるのである。

「あのさああ、子供のころ、電話がある家庭って少なくてね。」

「でもうちにはあったのよ。」

「電話。」

「いえね、うちがお金持ちだったということではなくて、父親の仕事の都合であったようなの。」

「それでね、近所の方ね。」

「電話ないから、親戚の方からうちに電話がかかってくるの。」

「でね。少年の私がご近所に走っていって、電話ですよ。とか行っていたなああ。」

お寿司屋さんの若大将にはこれはなんのヒントにならなかったようなのである。

若大将、若いから。。。

できれば、「そうそう、昔ありましたよね。」

「黒電話で。」

「そうそう、受話器になぜかレースのなんかあって。」

とかで盛り上がりたかったのである。。。。

それで、「巨人の星」。

「巨人の星って見てた?」

「ああ、たしか再放送で。」

「再放送?」

「さいほうそう!」

「君はいったいなにをやっていたのだ!」

「私はライブで見ていたのだ!」

こうなるとオヤジはなぜか自分が子供の頃に見ていたテレビの話で自慢したくて仕方なくなるのである。

自分がいかに歳とっているかをひけらかすことが自慢なのかわからないのであるが何故か自慢になってしまうのでる。

「ウルトラマンな。」

「その前にウルトラQというのがあったのよ。」

「白黒で。」

「ナレーションをやっていたのが、若き石坂浩二なのよ。」

「赤胴鈴之助。」

「ラジオドラマでな。」

「千葉周作の娘の声を、吉永小百合がやっていたのよ。」

「君の名は。」

「これもラジオドラマで、当時番組の放送時には女湯ががらがらになったのよ。」

「君は知らんかね!」

もう完璧な酔っぱらいなのです。

調べたら、赤胴鈴之助も君の名はも生まれるまえだった。。。

それでなんでしたっけ?

サリーの歳です。

うちに来た時は、6歳から8歳でした。

8歳だともう4年だから12歳か。

犬だと高齢か。

でも元気だからいいか。

散歩も行くし。

歩くの拒否するけど。

でもお芋あげるとうひょうひょ!で歩き回るけど。

左目が見えなくて右目は白内障でいつもベッドの上で「飼い主どこ行った。」

なのです。

仕方がくて一緒に寝ると安心するのです。

飼い主が起きると飛び上がるのです。

それでも一緒に寝ていてサリーがベッドの半分以上を占領するので(飼い主にケツ向けて寝るので)「もっとあっちへ行けよ」と押すと、「ぐわー!」と怒るのです。

「まあなああ。」

「放浪していたからなああ。」

「今は安心してぬくぬくの布団の中で寝ていいられるからなああ。」

「まあ、これはこれで幸せなのかなああ。」

「でも、父ちゃん、ベッドの隅で寝なくてはいけないので、腰痛が悪化するなあああ。」

なのです。

それで、サリーは幾つなのか?

誕生日はいつなのか?

知りたいのです。

本当に知りたい。

なぜなら、誕生日の前の夜。

「サリー、12時過ぎるとお前は一つ歳をとるのだ。」

「ゆく歳くる歳。」

ただこれを、これだけを言いたいのであります!

ご清聴ありがとうございました。。。。
















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