フィーユは嬉しかった。
船乗りフィーユとなってあの大海原の向こう。
向こうにあるまだ見ぬ世界への冒険にわくわくしていた。
「嬉しいなあ。」
「楽しいなあ。」
「楽しいですね。大富山沙里吉教授?」
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大富山沙里吉教授は大富山藩の歴史執筆に忙しかた。
「日本書紀に記されている大富山藩は大洪水の被害にあい、たった一人しか生き残らなかった。」
「大富山藩藩主とその妻だった。」
「教授。それじゃ二人です。」
「戦国時代には藩には、60歳から70歳の若者たちがおった。」
「それ若者ですか?」
「戦であった。対するのは、今川家。」
「今川家の武将の中でももっとも武勇伝の多い今川焼元。」
「通称、元祖今川焼元と言った。」
「今川焼元軍は3万の精鋭部隊であったが、2万が大富山藩の捕虜となり、4万が戦場に取り残され、12万が逃亡した。」
「教授。数が。。。。数が。。。。」
「今川焼元は、結局、自害した。」
「自害しなければ、もう少し長生きしたであろう。」
「あたりまえじゃん!」
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「なんなんだ!」
「今川フィーユ!」
「ただのフィーユです。」
「ただじゃ売れん。」
「ひとつ、100円だ。」
「今ならお得な6個パックがあるぞ。」
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「教授。ですから、私はどうやって船乗りになれるんですか?」
「なんだ、そんなことか。」
「そんなことって。。。」
「ちゃんと話はつけてある。」
「つけてあるから、後で返さんといかん。。。。」
「で、なんの話ですか?」
「リッキーに会え。」
「リッキー?」
「今なら浜辺におるじゃろう。」
ということで、フィーユは浜辺に向かった。
「リッキーさんですか?」
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「なんか用か?」
「あなたがリッキーさんですか?」
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「ところで、リッキーさん。」
「なんだ。」
「船乗りになりたいんですけど。」
「おお、話は聞いている。」
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「でも、どうやって船乗りになれるんですか。」
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「いいかね。」
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さて、これで自分も船乗りフィーユになれると思った時であった!
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一人の若者が息を切らせて現れたのだ。
「あなたは?」
フィーユが訊ねた。
若者は答えた。
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「ジャック・coco・ドーソン?」
「はい。画家です。」
「売れない。。。。」
「リッキー船長。。。」
「どうした。」
「ジャック・ドーソンって。」
「なんだ?」
「タイタニックのレオナルド・デカプリオの役ですよ。」
「つまり?」
「つまり、船は沈没する運命に。。。」
「大丈夫だ。」
「だって。」
「きっと、おばかな作者は読者の気をもんで、もんで。」
「結局。。。。」
「炊いた肉。くうんじゃねー。という落ちでごまかすのだよ。」
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リッキー船長が言った。
「そろそろ乗客も揃った。」
「出航と行こうか。」
そのときであった!
声が聞こえた。
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船乗りフィーユは訊ねた。
「あなたは?」
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船乗りフィーユは、ひな子と名乗っているが、服にちゃんと「HInata」と書かれていることを見逃さなった。
「で、お連れさんですか?」
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「二人で!」
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船乗りフィーユは思った。
「どうみても。。。」
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ということで、出航の準備は整った!
船乗りフィーユと謎を秘めた乗客達。
このあと、船乗りフィーユと仲間達にどんな冒険が待受ているのか!
こうご期待なのである!!!
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