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電話が鳴った。
「もしもし。」
「も”$%&し」
「はあ?もしもし。」
「サリーはあ&’$#”かった。」
「もしもし。」
「かーえしてほーしけーれば、もんじゃかんああゆこ。。。」
「なんかふざけてのか。もう切るよ!」
「待って!待って!」
「なんだちゃんと話せるんじゃやないか。なんなの?」
「誘拐だよ。誘拐。」
「誘拐?いったい誰を?その前に最初のもぐもぐはなんだよ。」
「ボイスチェンジャー。ボイスチェンジャー。」
「ボイスチェンジャー?」
「ほら、よくサスペンスドラマで出てくるでしょう。誘拐犯が身代金を要求する時、なんか知らんが小さい箱を受話器にあてて。声が変わるやつ。」
「あああれね。」
「で、買おうと思ったんだけど、高くて買えなくて、自作のボイスチェンジャーをやってみたの。」
「自作?」
「自分でね、もごもご、お前のサリーは預かったってね。」
「意味わからんな。」
「そんなことはいいんだ。問題はサリーを預かったんだ。」
「ありがとう。」
「は?」
「ありがとうって言ってんだ。そういえば先からいないなと思ってたんだ。」
「お前、飼い主だろう。愛する飼い犬がいないで心配しないのか。」
「しないよ。」
「サリー、うるさいし、やたらおやつくれ。はやく寝よう。うるさくてしょうがないんだ。な、よろしく頼むよ。あと、あいつなかなか自分から散歩に行こうと言わないからあんたから散歩いこうよと連れてってね。」
「はああ?」
「あととても重大なこと。サリーは毛布がないと生きていけないから毛布は必需品ね。」
「いやあの、おれは誘拐犯だぞ。サリーを預かってるんだぞ。」
「だから、ありがとうって言ってるだろうが。まあ、あいつ、元保護犬で放浪していたんだ。つらい日々を送ってたんだ。それがな、アルマさんやマイクママさんが助けてくれて、ピクニックなんかサリーに会いたい、会いたいっていっぱい人がくるんだぜ。あんたも心を入れ替えて、サリーのピクニックを開催してやってくれや。」
「。。。。。。」
「でな。冬になったら、元の飼い主さんが、お前寒くないかい?ご飯はちゃんと頂いているかいと心配していたよ。と優しく言っておくれよ。ねえお前さん。」
「あんたなにを言ってるんだ。こっちはサリーを預かってるんだ!」
「だからありがとうって言ってるじゃないか。」
「あああ、変な奴の犬を誘拐しちまったなああ。おい、だから飛びついてくるなよ。誘拐されてなに喜んでるんだよ。喜んでいる場合か!」
「な。だろう。サリーを飼うのは大変なんだよ。誘拐とか言ってないでさっさと連れてきなよ。」
「うるせー!サリーを返して欲しければ金を寄越せ。金を。」
「金?」
「この貧乏人に金なんか払えるか!」
「でも経営者だろう!」
「経営者?お前さんよ、世の中には経営者はいっぱいいるよ。夜な夜な銀座のクラブでホステスを横に座らせウハウハ!の経営者と映画の寅さんに出てくるタコ社長のように毎日金策には走しずり回っている経営者。蛸社長の方がいっぱいいるんだよ!こちとら自慢じゃないが寅社長じゃなくて、わんこ社長だい!」
「わんこ社長?」
「そうだよ。毎日、毎日、わんこのように地べたくんくん嗅いで歩くんだよ。金は落ちてねーか。10円でもいい、いや5円でもいいってな!」
「。。。。。あのう、10万ならなんとか工面出来そうですが。。。」
「そうかいありがたい。じゃあ、サリーと10万持って来てくれるんだろうな。」
「そうですね。。。違う!違う!危うく騙されるところだった。いいか、サリーを返して欲しければ、1,000万用意しな!」
「1,000万?お前、1,000ペソの間違いだろう。この貧乏経営者に1,000万なんか用意出来るはずがあるまい!」
「じゃあ20万」
「20万?いやに下げるじゃないか、1,000万が20万か。よしそれで手を打とう。で金はどこに持って行けばいい?10万な」
「10万?20万だ!」
「はあ?20万?さっきお前、10万貸すって言っただろう。」
「えーと言ったような気がする。」
「気がする?言ったんだよ。10万。な、だからお前から10万借りるから残りは10万だろうが。」
「。。。。。」
「お前、本当に頭悪いな。単純な計算もできないのかい。」
「いや、よく分からないけど、10万でいような気がしてきた。。。」
「だろう。で、10万、どこに持っていったらいいんだ。」
「いいか、まずボストンバッグを用意しろ。それに金を詰めてだな。」
「おいおい、なにを考えてるんだ。10万だぞ。10万。ボストンバッグにいれてもスカスカじゃねーか。10万だったら封筒に入れて内ポケットにいれりゃあいいじゃないか。」
「ああ、そうか。じゃあ内ポケットに入れて夜中の2時。お前の近所の公園の風車の前に来い。お前一人だぞ!」
「夜中の2時?朝にしようよ。朝に。」
「お前、本当にサリー、可愛くないんだな。」
「なにを!サリーが可愛くない?よくも言ってくれたな。サリーが元保護犬だということは言ったな。」
「アルマさんとマイクママさんにお世話になったんだろう。」
「そうだよ。それだけじゃないんだ。たくさんの人に可愛がられているんだ。それを俺が可愛くない?」
「可愛くないんだろう?」
「そうだよ。」
「。。。。。。。。」
「しかしな。サリーは人気者だ。誘拐されてはいそうですかとなにもしないわけにはいかねええ。」
「で、2時に10万持ってくるのか?」
「そこで相談だが、10万ローンでどうだい。35年ローン。」
「あのね、誘拐なんだよ。誘拐。どこの世界に身代金をローンで払うやつがいるんだい!」
「ここにいるんだよ!」
「わかったよ。もうあんたと話をしていてもらちがあかない。サリーの命はないと思え!」
「あら?ちょっと待てよ。サリーいたよ。」
「え!」
「洗濯物の中から出てきておーきなあくびをしてるよ。」
「。。。。。」
「お前、誘拐する犬を間違えたな。」
「間違えた?」
「そうだろう。サリーはここに居るんだから。あら、起きたと思ったらまた寝たよ。いびきかき始めたよ。」
「じゃあ、この犬はいったい誰なんだ。」
「どんなかっこなんだよ。」
「トイプードルで、なんか紋付きを着て寝言で、わんこ・にゃんこを幸せにって言ってるぜ。。。」
「お前、とんでもないもの誘拐しちまったな。」
「え。俺が誘拐したのはいったい誰なんだ!」
「教祖様だよ。」
「教祖様?」
「あああ、やっちまったな。もうお前も終わりだな。」
「終わりって、ただの犬だろう!」
「知らないというのは恐ろしいね。教祖様だよ。教祖様。もう動いてるよ。」
「動いてる?」
「犬察庁。」
「犬察庁?」
「サリー警部だよ。」
「サリー警部?」
「犬察庁きってのやりて警部だよ。あの灰色の密室の謎を見事に解決した名警部だよ。」
「灰色の密室?」
「しらないのか。壁一面灰色の部屋で狐のコン太が圧死していたんだよ。しかも密室。それをサリー警部、見事に解決したね。」
「でどんなだったんだい?」
「密室の中に象がいたんだよ。象。」
「象?」
「そうだよ。その長い鼻で狐のコン太を圧死したんだよ。部屋の壁が灰色だろう、象も灰色。保護色でわからなかったんだよ。」
「すごい。」
「サリー警部も出動しているだろうから、あきらめろ。あきらめて教祖様を開放さしてあげなさい。」
その時、電話の奥から聞こえてきたのです。
「犬察庁のサリー警部だ。お前は包囲されている観念して教祖様を開放しなさい!」
サリー警部の活躍で教祖様は無事開放されたのであった。
誘拐犯も逮捕された。
犯人は。
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悩める小説家だったことは言うまでもない。
ということで見事解決だったのである。
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おしまい。
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ギャハハ🤣
力作!傑作!おかしすぎる!
寝れなくなったー😆
うひょひょひょ!
以前からコツコツと書き溜めておりました。。。
座布団!10枚~(笑)
目が覚めた!
10枚!
素敵な賞をいただけますね!
うひょひょひょひょ😆💓
すんごいおもしろかった〜😄👏✨
ありがとうございます。。。
お恥ずかしい。。。
素晴らしい大作ですね‼️ 落ちも完璧‼️ サリパパさん、いえいえ、教祖様のお父上殿、元気の素を、ありがとうございます😊
なんか再読したら、教祖様のお父ちゃんになってました。
あららら。。。