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サリーの「ぽよよん日記」。飼い主の新年会と三本締めと指紋を無くした男。

特定非営利活動法人アルマ・犬の里親募集

 

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格差社会だそうです。

格差社会。

嫌な言葉ですね。

世の中は勝ち組と負け組に分かれているそうです。

負け組代表の飼い主としてはなんとかして欲しいのです。

妙に真面目なお話になってしまいましたが、世の中いつ自分が負け組かということを自覚させられるか分からないのです。

それで新年会です。

行きたくないのです。

父親が亡くなったという言い訳を考えました。

しかし、父親の葬儀の時に弔電を頂いていたことを思い出しました。

今度は育ての父親でして。。。。

ダメだろうな。

サリー大丈夫かな。

帰り、遅くなるんだよな。

久しぶりにスーツで出勤。

しかし、スーツ着て犬連れて歩くのは恥ずかしいのです。

すれ違う人はどう思っているのでしょう?

帰りが遅くなるので、

おやつをあげました。

ご機嫌取りに抱っこ。

まあしかし、仕方ありません。

新年会に向かいました。

会社の近くからバスに乗りました。

運賃220円。

220円を握りしめていたのです。

タクシー乗りたい。

格差社会なのです。

バスに乗り、駅に着いて地下鉄に乗りました。

目的地まで270円。

もう490円も使っているのです。

490円あったら牛丼の並盛りが食えたのです。

しかも味噌汁つき。

往復だったら2杯も食えたのである。

味噌汁、合計2杯。

今日は金曜日。

世の経営者は銀座とかでウハウハなんだろうなあああ。

格差社会。

駅に着きました。

今度はJRに乗り換えるのですが、1駅なので歩くことにしました。

電車賃がもったいない訳ではありません。

面倒なのです。

あれ?

そろそろ道に迷うと思っているでしょう?

大丈夫なのです。

今回は会社のトラックから地図を盗んで持ってきたのです。

地図を見ながらとぼとぼ歩いたのです。

そして無事到着したのです。

飼い主もやるときはやるのです。

で、新年会。

報告会があって立食パーティーに移りました。

挨拶。

もういいんだよ。

早く乾杯しようよ。

乾杯。

大体、こういう時の挨拶は長いのです。

披露宴の挨拶と同じくらい長いのです。

壇上にあがったどこかの会社の会長。

70?

80くらいかな。

背が高くて恰幅がいい。

来てるスーツも高そうで、眼鏡が、いわゆる「べっ甲フレーム」のオーダーでしょう。

こっちは、眼鏡市場で遠近両用レンズとセットで9,800円(税別)。

格差社会はここにもあったのです。

で、ようやく乾杯。

歓談が始まるのです。

しかし、飼い主は食べ物テーブルが気になるのです。

腹減った!

挨拶の最中から銀の皿に載ったローストビーフを注目してたのです。

「まず、ローストビーフ。次に、あれはなんだ?よくわからないが、肉みたいだぞ。」

「あれ?寿司はないの?」

「いいパーティーだと寿司あるだろう。」

「あと蕎麦とか。」

「なんだよ。蕎麦はない代わりに焼きそばかよ。」

挨拶の間中、心の中でこれからの自分の行動の計画を立てていたのです。

「ローストビーフ。牛丼より数倍高級じゃん。」

「片道、490円かけて来たかいがあった。」

「元は取れた!」

取れなかったのです。

取れるはずだったのです。

捕まってしまったのです。

挨拶をしたおじさん。

特注の「べっ甲」眼鏡の。

まったく興味のない話を延々とするのです。

飼い主は仕方なく頷くのです。

皆さんはどんどんローストビーフを食べ始めるのです。

ローストビーフ、どんどん無くなっていくのです。

「ローストビーフ。サリー大好きなんだよな。」

「タッパを持ってきて隙をみて詰めたかったなああ。」

で、ようやく「べっ甲」親父から解放された時には、食べ物はほとんど無くなっていました。

残っているのは、焼きそばとポテトサラダとちっちゃいケーキのみ。

仕方なく焼きそばとポテトサラダとちっちゃいケーキを食べました。

焼きそばって、縁日かここは。。。。

で、最後の〆です。

三本締め。

飼い主は何回やっても慣れないのです。

しかし、「べっ甲」親父。

うまいのです。

「三本締め。私、もう60年やっていますから。三本締めやらせたら日本で5本の指に入りますよ。」

と言いそうなのです。

「ほら見てください。三本締め、60年。」

「指紋が消えました。」

言いそうなのです。

ということで新年会は終わったのです。

会社にいるサリーが心配でそそくさと会場を後にしエレベーターに乗りました。
















「べっ甲」親父が乗ってきたのです。

「べっ甲」親父、携帯を出しました。

「ガラケーか。爺さんはスマホは無理だよな。。。はははは!」と心の中で叫んだのですが、爺さん(爺さんになっている)、、、、















「ああ私だ。今終わった、車頼む。」

ホテルの玄関に行くとハイヤーが待っていて、「べっ甲」ジジイが乗り込んだのです。

飼い主、マフラーをぐるぐる巻きにして駅までとぼとぼ歩いて帰ったのです。















「腹へった。。。牛丼でも食べて帰ろう。。。。」

格差社会なのです。

会社に戻ると、

サリーが出迎えてくれました。

まあ色々ありましたが、

サリーが居るからいいのです。

それで、家に帰りました。

会社に飼い主が居なかったので寂しかったのか。

疲れたのか、















飼い主の足を枕に寝ました。

おしまい。

 

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