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昔飼っていた猫の「ちびこ」。

押し入れの前で座るのです。

飼い主抱っこします。

「行くぞ！ちびこ！」

押し入れに投げるのです。

ちびこ大喜び。

布団の上で至福の時なのです。

で、サリーにもやってみたのです。

ベッドの下の犬用ベッドに寝ていたので抱っこしてベッドの上に投げたのです。

サリ－、驚愕の表情です。

「なにすんだよ！」

「あれ？ちびこは喜んだんだよ？」

「ふざけんなよ！」

「あのねお父ちゃん。あたしは保護犬ですよ。放浪していましたよ。助けていただいて感謝していますよ。でもね、あなた人の道を外れてはいけませんよ。」

「放浪してアルマさんに助けられ、仮親のマイクママさんのところにごやっかいになりました。でもね、こんな理不尽な扱いを受けたことはございませんよ！」

もうそうなると飼い主も黙っておりません。

「そうかい。そうかい。佐里吉。お前は2年以上ここ大富山運輸でやっかいになってるんだろうが。毎日毎日、三度三度のおまんまを食べさせてもらえて、おべべも着せてもらえて一度くらい寝床に投げられてなんでそんなに不満を口にするんだい！」

「不満じゃございませんよ。犬には犬のプライドってもうんがあるんですよ」

「そうかい、そうかい、そんな了見なら私は金輪際、お前の顔は見たくないよ。」

「どういうことですか。」

「勘当だ！」

勘当です。

そうなりますと、佐里吉、行く場所がありません。

結局、大富山運輸の下請けの会社の家にやっかいになったのです。

いわゆる居候。

二階の部屋に住むことになったのです。

居候。

10階の身と言われます。

2階にやっかいになる。。。。

2ヶ月が過ぎました。

「あんた。」

「なんだ。」

「あの居候。」

「佐里吉さんか？」

「そうよ。もううちに来て2ヶ月よ。毎日毎日寝てばかり。起きたと思ったらごはん。訴えるのよ。」

「まあ仕方ないな。犬だから。」

「ごはん。仕方ないのでお高いカリカリ買ったのよ。でも、ぷい！ですよ。」

「口にあわんのだろう。」

「お高いカリカリ食べないのに、娘の典子のお弁当を作っていると足下で、私にもいただけるのでしょうか？いますぐください！という顔して見つめるのよ。もう私怖いの！」

「しかたないだろう。犬なんだから。。。」

「わたし怖いから佐里吉のためにお弁当作ったのよ。卵焼きと野菜のみじん切り。ウィンナーはもちろんタコさんね。」

「でどうした？」

「大興奮で食べましたよ。もうガツガツ。でもね。」

「どうしたんだ？」

「野菜だけ残しました。」

すいません。。。。

ふと、こんなお話を考えてしまいました。

古典落語の「船徳」でございます。

続編は多分ありません。。。。

おしまい。

 

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