月別アーカイブ: 2017年6月

サリーの飼い主の痛院日記。サリーに会いたい!

特定非営利活動法人アルマ・犬の里親募集

 

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早朝です。

まだ寝ているサリーを起こして、散歩に行きました。

家に戻り、カリカリを食べないサリーに、おやつをあげました。

そして、なでなで。

いつもより、とても優しく。

「サリー。ごめんね。今日もお留守番ね。」

サリーは意味がわからず、キョトンとしています。

病院に行かなくてはいけないのです。

MRIを撮るのです。

実は、ここ2週間、足が痛いのです。

少々ですが、歩くのが辛いのです。

「足が痛くてよ。歩くの大変なんだよ」と言うと、社長が無言で自分の車から杖を持ってきました。

「使ってください。」

なぜ社長が杖を持っているのでしょう?

杖をつくほどではないのですが、ついてことがないので、「まあこれも一興。」

ありがたく貸してもらいました。

それで、会社の近くの整形外科に行きました。

レントゲンを撮りました。

特に異常はないそうです。

それで、後日、別の施設でMRIを撮ることになったのです。

着替えて、あの機械へ。

20分、動いてはいけないそうです。

大丈夫か?

耐えられるか?

飼い主は閉所恐怖症なんです。

狭いところが怖いのです。

仕方がないので、目をつぶって、サリーが我が家に来たころからのサリー話を思い出しました。

サリーが来た日、あいつボーットしてたな。

ここはどこなんだろう?

仮ママさんはどこへ行ったんだろう?

また、捨てられたんだろうか?

とか思ってたんだろうな。

なんだか涙が出そうになりました。

そんなことを思い出していると、とんでもないことが起こったのです。




顔がかゆいのです。

かきたいのです。

でも出来ないのです。

かゆいのに、かけないほど辛いことはありません。

まあ何とか我慢して終わりました。

不思議なことに、かゆみは全然ありません。

そして、整形外科へ。

先生に色々説明していただきましたが、おまぬけな飼い主はよくわかりません。

どうも腰の骨の一部が細くなっているそうです。

すると先生、「そこのベッドに横になって。」

ベッドに横になりました。

女性の看護師さんが、「じゃあ、点滴しますね。」

点滴?

仕方ありません。

ちゃんと直さないとこれからのサリーとの生活に支障が生じます。

点滴の間、きさくな先生が、「ちゃんと食べてるの?」

「最近は殆ど外食で。」

「ダメだよ。奥さんは料理してくれないの?」

「私、独り者で。」

「そうなの。でも経営者だから外に何人もいるでしょう。女が。」

「いませんよ。独り者ですが、犬がいます。あ。でもオスだ。」

これが受けてしまったのです。

看護師さんも笑いました。

お調子者の飼い主は、自分のおかれた状況も忘れ、おばかなお話をしました。

すると、看護師さんが、「それでは注射しますね。」

注射?

聞いてないよ。

「うつ伏せになってください。そしてズボンをおろして。」

「はああああああああああ?」

お尻に注射するそうです。

えらいことになってしまったのです。

足が痛いことから、お尻に注射されるのです。

もう意味がわかりません。

飼い主は、ベッドの上でお尻を出しているのです。

お尻に注射されました。

ふらつかもしれないので、しばらく、ベッドに寝ていなくてはいけないそうです。

点滴は続きます。

飼い主、ボー然として寝ています。

心配した看護師さんが、「大丈夫?」

飼い主、ボー然としながら、








「犬に会いたい。。。。」

優しい看護師さんが、「ワンコちゃんの犬種はなんなの?」

「トイプードル。」

「捨て犬で、毛がぼうぼうで放浪していて捕まったんです。」

いいおじさんが、ショックでボー然として、「犬に会いたい。」と泣きごとをいうのです。

恐らく、先生も看護師さんも初めての経験でしょう。

いいのです。こちらも初めての経験です。

しばらくすると看護師さんが、「では、座薬しますね」

座薬?

「え!」

「痛み止めです。」

「痛くていいです。痛くてもいいです。一生痛みと共に生きていきます。」

聞き入れていただけませんでした。

ボー然にボー然が重なりました。

ボー然の2乗です。

ボー然+ボー然=思考停止

いえ、ここに点滴が加わるのです。

ボー然+ボー然+ボー然=現実逃避

飼い主、天井を見上げてなぜか、「宇宙人になりたい」と思いました。

心配した看護師さんが、「ワンちゃんの名前はなんというの?」

現実に引き戻そうするのです。

「サリー」

「可愛い名前ね。」

「サリーに会いたい。サリーに会いたい。」

現実に戻ったのです。

「寂しがり屋でね。捨て犬だから、いつも誰かいないと心配なんですよ。トイレに行ってもついて来て、チラッと覗いて安心して戻るんですよ。」

「そうなの。また捨てられるんじゃないかと思っているのかもしれませんね。」

え!

そうか。そうだよ。

捨てられるかもしれないといつも思っているのか!

なにをいまさらそんな事に気が付いたのだろう?

それで30分。

「ゆっくり立ち上がりましょう。」

立ち上がりました。

すこしふらつきました。

看護師さんに手をとってもらい、待合室の椅子に座り1時間過ごしました。

先生が来て、「立ってみて。」

立ちました。

「歩いてみて。」

嘘のように痛みが消えました。

歩けます。

「大丈夫だね。問題ないね。」

痛み止めのお薬をいただき、お会計を済ませて、帰りました。

「おお!歩ける。歩ける。」

もうルンルンです。

そうそう、痛み止めのお薬を頂くとき、とても大切なことが心配でした。

人生最大の質問だと言っても過言ではありません。








「お酒飲んでも大丈夫ですか?」

先生、目がテンになってました。

先ほどまで犬に会いたいと泣いていたおじさんです。

先生、呆れたように、「問題ないよ。」

やったぜ!

歩行、全然問題ありません。

学校から帰る小学生達がいました。

「君たちもこれから、苦しい時、悲しい時もあるだろうが、大丈夫だよ。」








「お尻に注射して、座薬をすれば、全ては解決すんだよ。」

「あきらめるな、負けないで、夢をあきらめるなじゃないんだ。お尻に注射と座薬なんだよ。」

”辛いときもあるけど、負けないで、夢あきらめないで、明日をみよう、きっといいことがある。だって君にはお尻の注射と座薬が待っている!♪”

なのです。

そんなおバカなことを考えながら、家に帰りました。

サリーは、きっとベッドの上で、「この世の終わり」の表情でポつんと座っていることでしょう。

それで、そーっと覗くと、








布団を咥えて寝ていました。

流石に長時間のお留守番ですから眠たくなるでしょう。

それで、飼い主、そーっと近かずき、サリーを撫でました。

もうサリー、大興奮。

我が家に来てから最大の興奮です。

その興奮は収まりません。

スリーピング・ちょうだい・ちょうだい®×100です。

仕方ないので、飼い主ベッドの上に座り、サリーのやりたい放題を見ていました。

そして、サリー、ハーハーしながら飼い主を見つめます。

それで、飼い主、興奮している愛犬に、
















「散歩行くぞ!」








そんなことで、杖もつかず、元気に散歩に行きました。








おしまい。

 

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