サリーが、会社で一番好きな人は、ご存知の通り、経理の「さとこ」さんです。
では、二番目は誰か?
「社長」さんです。
飼い主は,面白くないのですが、「社長」さんなんです。
どうしてかと言えばですね。
「さとこ」さんが、事務所からほんの一瞬でも出ようものなら、サリーは急に不安になって、キョロキョロし、ドアを凝視します。
飼い主が、「サリー」と呼んでも無反応。
抱っこしても、暴れて降ろせと。。。
それでも、「さとこ」さんが戻ってこないと、サリーは、「社長」さんのそばに行って、ワンワン吠えます。
どうも、「さとこ」さんはどこに行った!
あるいは、相手をしろと言っているようです。
でも、「社長」さんは、忙しいのか、相手をしません。
すると、さらに、ワンワン吠えます。
でも、「社長」さんは、無視。
そのあと、サリー、むりやり、「おやつ」をよこせと。。。
もしかしたら、「社長」さんは、サリーをあまり好きではないのかもしれません。
可愛がっているところを、あまり見たことがありません。
「社長」さんは、ガタイがでかく、よく食べる人です。
ちゃんぽんの大盛りと、チャーハンの大盛りを昼ごはんに食べるひとです。
一緒にお昼を食べると、食欲をなくすので、同席はしたくない人です。
今日、「お昼どうします?」
と、聞かれました。
出前を取るそうです。
蕎麦屋だそうです。
何しろ「大盛り」の人なので、こちらも負けてはいられません。
「盛そば」2枚にしようと思いました。
それで、「盛」2枚と伝えると。
「どうせ、残すんでしょ。」
と言われました。
多分、残すなと思いました。
それで、「ざるそば」1枚にしました。
「盛」1枚だと、「せこい」と思われたくなかったのです。
でも、ちょっと面白くないので、「ちょっとはダイエットしたら。」と言いました。
すると、「そうですね。」と言って、注文しました。
「カツ丼。大盛りで。」
世の中に、「カツ丼の大盛り」が存在することを初めて知りました。
それで、この「社長」さん、無口な人なのですが、こちらから話しかけると、よく喋る人なのです。
こちらから話さないと絶対に話さない人です。
面倒くさい人なのです。
年明けに、お客さんのところへ、二人で年賀の挨拶に行きました。
車中、私が話かけると、嬉しそうに、ベラべラ話しました。
神奈川県まで行きました。
でも、お客さんはすべて外出中でした。
それで、年賀のタオルを置いて帰りました。
あ。これが、「だしなさい!」タオルにつながったのでした。
それで、帰り道。
社長:「年明けだから、お客も挨拶に出掛けているんだよな。」
私:「そうだよね。」
社長:「なんか、時間の無駄のような気がするなあ。」
私:「そうだよね。」
社長:「来年は、バイトかなんか雇って、かわりにタオル持っていってもらったらいいんじゃない?」
私:「さすがに、バイト。身代わり。嘘はまずいんじゃない?」
社長:「事前に電話して、外出しているとわかったら、バイトをいかす。」
私:「なんか、オレオレ詐欺みたい。」
社長:「なんの問題もないですよ。お金くれっていうんじゃないので。」
私:「でもね。。。」
社長:「あえて言うのなら、年賀挨拶詐欺。」
って、こんなバカ話をする人なのです。
本当に面倒な人なのです。
それでですね。
いよいよ。
「本題」です。
社長は、会社に犬が来るのは、よく思っていないのかもしれません。
会社はあくまで、仕事の場所です。
社員やその家族の生活を守らなければいけないのです。
のほほん、と犬を連れて、会社に行ってはいけないのです。
私は、自分のいいかげんな考えを強く、強く、反省しました。
明日から、サリーは自宅に置いていこう。
たとえ、ひとりぼっちで、不安で、悲しくて、ワンワン泣こうが、かまいません。
サリーも強くならなくてはいけないのです。
そう固く決意して、外出先から戻りました。
すると、私の小さな頭脳は完全にフリーズしました。
しばらくして、「さとこ」さんに、聞きました。
「なにやってんの?」
「さとこ」さんは、ごく自然に答えました。
「社長が、サリーにおやつをあげているんです。」
続けて、「今、お手を教えています。」
私は、明日もサリーを会社に連れて行こうと思いました。
今日の教祖様のありがたいお言葉です。
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●